ぶよぶよのお腹、背中に乗ったお肉、どーんと大きなおしり、産後太りは幸せのあとに付きまとう悪い夢のようですよね。
とにかく、出産を美容のハンデにしてたまるか!とにかくどんな手段でも頑張って痩せるぞ!という意気込みに燃えているひともいるのではないでしょうか。
ダイエットといえばメジャーな方法が食事制限です。食べなきゃ太らないをモットーに、炭水化物を抜いてダイエットする方法も有名ですよね。
ですが今は産後ダイエットの時期です。まず栄養をとって出産のダメージから回復しなくてはいけませんし、何より母乳の出と栄養問題は直結します。産後の時期にちゃんと栄養をとらないのは危険なことなのです。
まず産後に食事制限系のダイエットをすると、健康面、育児の面で様々なデメリットが出てきてしまいます。
出産のダメージ回復・子育てをする体力・母乳をしっかり出すなど、産後は栄養とエネルギーをたくさん使います。そんな時期はむしろ、しっかり食べないといけない時期なのです。特に炭水化物抜きダイエットは効果の面でも産後ダイエットにはオススメできません。
もともと炭水化物ダイエットは、糖の材料である炭水化物を食べないことで、血液中に糖が少ない低血糖状態を作り出します。その不足を補おうとした体が、分解した脂肪から糖を作る性質を利用した方法なんです。
脂肪を分解して痩せる効果はゆるやかで、さらにダイエットをやめるとリバウンドが大きい方法といわれています。産後に行うには、リスクのほうが大きいダイエット方法なんですね。
TVや雑誌などでママタレントやモデルの「炭水化物を抜いて痩せました!」という体験談をよく耳にしますが、炭水化物抜きダイエットは産後に限らず注意が必要な方法です。
まずはさきほど触れた、リバウンドしやすさです。炭水化物抜きダイエットで低血糖になった状態で、再び炭水化物を食べ始めると血液中の糖が急に増えることでインスリンという物質が分泌されるようになります。インスリンは脂肪を吸収しやすい性質を持ち、分泌されると太りやすい体になっていってしまうのです。
また、肝臓の糖を使ってしまうことで肝臓の機能低下が起こります。肝臓は、生命維持のために使うカロリーである基礎代謝が全身で最も高い臓器です。つまり肝臓の機能が落ちると、エネルギーが消費しきれずに太ってしまうんですね。
ただ、炭水化物を控えることの全部が悪いわけではありません。夜は体があまり活動せず糖をあまり使わない時間です。晩御飯の炭水化物を少し控えめにするとダイエット効果が得やすいのだそう。
少ない糖でも効率よくエネルギーに変換させるために、ビタミンB群を含む食べ物やサプリメントを一緒に摂ると低血糖になりにくく安心です。ゆっくりよく噛んで食べることでも消化吸収がゆるやかになり、血液中の糖が急に増えるのを防いでくれます。
悪い習慣を改めるのも大切です。夜中に赤ちゃんが残したご飯を急いで食べてそのまま眠る、などを続けると糖がそのまま脂肪になりとても太りやすくなってしまいます。
がっちり控えるというよりも、夜に炭水化物は食べすぎない・急いで食べない、を実行するだけでも産後の体型コントロールには有効なんですね。
また、炭水化物だけでなく、食事の改善も産後ダイエットには効果的なので、毎日のメニューの見直しをしてみることをおすすめします。
さきほどは食べ方に触れましたが、実は同じ炭水化物でもお餅や白米は太りやすく、玄米は太りにくい性質を持っています。
お餅や白米は消化吸収がよく、すぐ糖質になって一気に吸収されます。つまり血液中の糖がいきなり増えてインスリンが分泌されやすい、太る体になりがちな食べ物です。
この白米やお餅を、玄米のような消化に時間がかかるものに置き換えると、血液中の糖はゆるやかに増えるだけでインスリン分泌が抑えられ、同じ炭水化物でも太りにくくなるんです。
食べる時間や食べ方も大切ですが、炭水化物の性質を見極めて食べることも大切なんですね。
毎日のお米を玄米に変えてみるだけでも、産後太り対策には有効です。しっかりとした食感の玄米は噛んで食べることで満腹感も得られますし、近年の研究で玄米のぬか部分には、脂っこいものを求める本能的欲求を抑える、ガンマオリザノールという物質が含まれていることも発見されています。
ダイエットは3日坊主で終わらせないための工夫が何より大切です。毎日食べるものを置き換えると、自然と痩せやすい生活に近づくことができますよ。
今は炊飯器で玄米も炊ける機種が多いので取り入れやすいですね。炭水化物は性質を見極め、時間や食べ方を上手にコントロールして体型を維持したいですね。